長年の使用で破損したチャンバーも再生
ノーマル新品より強く 長持ち安上がりに仕上げます。


某輸入車のマフラーとのジョイント部分がちぎれて穴が空いてしまったもの、それをオーナーが排気が漏れないように
シリコンコーキングで補修しかし それで持つはずも無く KOレーシングに修理依頼。
 検証の結果 ひび割れをそのまま溶接しても強度は出ず しかも素材が非常に薄い上 どうも使われている
アルミの品番が 純アルミの1000番台のような感じでした。メーカーがこのようなやわらかい物を使うのには
コストの問題で 硬い素材を使うと プレス用金型代が高いのと ショット回数が稼げないためだと思われます。
アルミ と一概に言っても 外見から柔らかいか硬いか判断するのは難しく 柔らかければこの写真のように
成ってしまいます。KOレーシングではどの機種のどの部分には柔らかい素材 硬い素材が使われているか
把握していますので 新車購入の相談をされたお客さんにはアドバイスするようにしています。
 で 修理は以下の方法で行いました。

破損していた部分を大きく切り取り A5052Sの3ミリ厚の板を板金成型 マフラーを固定するステー部分は
フレームなどを製作するときに使う A7N01のブロック切れ端を位置決めして溶接。 52Sのアルミは中程度の
強度が有りますので マフラーから力を受けても チャンバー壁面を直角方向に押すためこの部分が凹むことは
ないのではないかと予想しています。
 この作業 今回の場合 8000円ほどの作業工賃でした。

 マフラー関係の破損でシリコンコーキングや接着剤で補修されているとアルゴン溶接がうまく付かない場合が
有ります、工賃も高くなってしまいますので破損を確認したら 手をつけずにすぐにお送りください。


同じ機種ですがこちらは 内部のパンチングパイプが破損して排気通路をふさいでしまった物。
パンチパイプにも軽量化のためにアルミを使用してあるため このように粉々に粉砕してしまったようです。
軽量化でいいことも有りますが このように成ってしまうことも覚悟しないといけませんね。
 修理は以下のようにやりました。

内部に付着した油分を焼ききった後 スチール製のパンチングプレートを巻いて筒状に板金しあてがって
みたところ、 この後 裏側にグラスウールを敷き詰めて パンチングプレート同士を溶接して固定
がたが無いことを確認してから ウールを詰め込んでいきます。出来るだけギュウギュウに詰め込んで
中でパンチパイプが踊ることが無いようにします。
 その後切り取ったフタを全周アルゴン溶接 パワーが出た上 静かでオーナーも大満足でした。
 これは チャンバークリーニング17500円+5000円 の工賃でした。  価格はいずれも税別
 物によっては同様な作業が出来ない物も有ります。